「変容の対象」2011・9月3−4小節目
福島諭さんに「変容の対象」2011・9月3−4小節目を送る。
今回は長考。長考故の結果。譜面上ではほとんど何も起こっていない。かけた時間とは対称的な譜面のなかの「時間」
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J・G・バラードの「残虐行為展覧会」を読んでいる。帯にはコンデンスド・ノヴェルと書かれてあり、これを買った日(もう随分前で憶えていないほど前だ)からその硬質な語感が気に入っていた。コンデンスとは濃縮の意。自分的にはコンデンスミルクとかでなじみがあったはずなのにコンデンスという言葉だけ取り出すと瞬時には意味が出てこなかった記憶があるが、この本を手に取ってからを機に自分には言わば馴染みのある言葉になった。まあそんな話はどうでも良くて、久しぶりに再読しているのだけれどそのフラッシュバックするイメージの連続に浸っている。ほとんど物語というには断片的に過ぎる文章が怒濤の速度で流れる。その物語ともつかない文章のなかに卑猥で暴力的なイメージが鮮烈に挿入されている。あまりにそのイメージがたっている為、物語は形骸化し、その仕込まれたイメージだけが残る。例えば自動車事故で死んだジェームス・ディーン、カミュ、足をもぎ取られた死体。女性に関するあらゆる卑猥な名詞。(途中まで書いていたが消し、ここに書くのは自重する)最早物語りは意味を無くしその仕込まれたイメージだけを読ませたいのか、天才バラードの意図は読み手の僕の器でしか判断出来ないけれど刺激的に過ぎる書物だとは断言出来る。バラード原作の映画ではスピルバーグの「太陽の帝国」が有名だし、天才クローネンバーグ監督の「クラッシュ」もある。皆様も是非。非常にマイナーな本かもしれない。今はちょっと手に入れ難いかも。
断っておきますがアフェリエイトでしたっけ?とかやってませんから。純粋にわかりやすいように以下に。
- 作者: J・G・バラード,法水金太郎
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