天使が
和歌山に帰る。
新潟は煌く陽がふりそそいでいて、濃い影とはまったく関係ない顔で優しい風が頬を掠めた。安吾が「風と光と二十歳の私と」と書いた風はこんなだったのだろうか、、、光はこんなだったろうか。
私は極度にブリーチした金髪に黒ぶちのセルフレームの眼鏡をかけ、密やかな狙いはトルーマン・カポーティ風の佇まいを、、、と思っていた。(、、、が、ただの金髪眼鏡猿だった)私をよく知る人たちは、はじめ僕が誰だかわからなかった。
思い出の安吾の碑の近く、会って心が躍る人たちとともに。
天使が舞い降りた。
夜。
演奏。
Diesel Guitar 能勢山陽生さんを生で聴けた。うなる。
会話がはずむ居酒屋。
前田真二郎さんと夜中、二人で万代橋をわたる。
朝、池田さん、飛谷さんと会う。
帰路につく。
電話。
背後のカーテンが開かれた瞬間、、、
ほんとうに天使が舞い降りていたのだ。