hamaji junichi

composer saxophonist

《変容の対象》2015・8月第5−6−7小節目

《変容の対象》2015・8月第5−6小節目を福島諭さんより受け取る。

今回は拍子の指定だけで、音符は書き込まれていない。今月の冒頭文による現象のひとつと言っても良いかもしれない。記憶ではほとんどこういったことはなかった。面白く感じる。

6−7小節目をすぐ書き送る。6−7小節目の拍子は福島さんの指定で固定されたかたちで書いた。その後、8小節目の拍子を変更しようかと思ったがそれが赦されているか微妙なので今回はやめた。追加のルールをそこで挿入すれば可能だが、、、などと思ったけれどそこまで確信的に変更を必要とは考えられず、ようは先の小節のことなので、白いぼんやりした領域しか認識出来ない。

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ドラゴンタトゥーの女フィンチャー監督のをまた見る。リスベット役のルーニー・マーラが超魅力的だが、ああいうスタイリッシュな容姿のパンクスが(日本でも)稀に居る。中坊1年の時セックス・ピストルズが大のお気に入りにであり、あのファーストアルバムを飽きるほど聴いた。それから頭をパンクみたくスプレーでバキバキに立ち上げ通ったものだ。当時はヤンキー文化まっただなか。喧嘩は日常であり、今から考えればひどく暴力的な気配が充満していたが、くそガキがいっちょまえにメンチ切って勢力争いをするなかで、ピストルズを聴いていたものは僕一人と、もう一人、兄貴の影響で聴いている奴だけだった。そいつは首れて死んだと聞いた。奥さんと子供を残して。リスベットがダニエル・クレイグ(超かっこええのな)扮するミカエルにレザーライダースジャケットを送ろうとする最後のシーンは特に印象的で、レザージャケットフリークの私はああいうしつらえもののライダースなど持ったことはなく、ヨーロッパではそういう文化も未だあるのだろうなどと憧憬の念も持ちながら、傷心の最後のシーンに見入った。冒頭のかのツェッペリンの名曲「移民の歌」のカヴァーが流れる映像も見事な映画。原作はスティーグ・ラーソン「ミレニアム」全5冊あり、前半は特に面白く読んだ。


地元の古本屋に行き、漫画を買う。ガンツ3冊300円。文学、物語を追うのが今はしんどい。江戸川乱歩の有名どころは読んでみたけれど(「人間椅子」「押し絵と旅する男」などなど全集から拾い読み)ちょっと没入はできなかった。疲れておる完全に。ガンツは19巻まで持っていて、7〜9巻を無くしてしまい何の気無しに手に取って読んでいたら俄然読みたくなってきたので、古本屋に行った。オースターの「ガラスの街」角川版が50円!買う。柴田訳とはどう違うのかが気になるところ。ガンツにはレイカさんなどおそろしい美形が目白押しだが、主人公の恋する多恵ちゃんみたくおとなしくてどうしようもなく(救い難く)誠実なやさしい女の子の配置は奇妙に納得させられる。派手さはないけれど、ああいう女性性はひとつの聖女像にも繋がる。実際には自分は明るく楽しい女性としか一緒に居られないけれど、想念上では確かにその存在は猛烈にぶっ刺さる。たえちゃん最高。


物語は読めないので安部公房の「砂漠の思想」を手に取る。講談社文芸文庫安吾のエッセイも昔貪るように読んだけれど鉄板の作家のエッセイ、評論の類いももう一度読んでみたく思った。