hamaji junichi

composer saxophonist

《変容の対象》2015fine

昨日は夜中、2015年度の《変容の対象》のすべての12曲を確認して過ごした。

1月、2月は特に何かがそこに留まっていると感じた。個人的には今年の作品は2009年からの7年間でベストの組曲ような気がしている。あまりに1、2月が突出しているからかもわからないけれど、今の判断ではそうだ。

毎年総括文を書く。そこでまた何か書きたい。


1月の《変容の対象》2013初演、砂丘館、県政記念館、2月の文化庁メディア芸術祭での福島諭さんの受賞に際する公演や、5月のラ・フォル・ジュルネ新潟2015、イアマスでの前田真二郎さん、津上研太さんとのスタジオワーク、9月のサラマンカホール、12月の大垣ビエンナーレでの前田真二郎作品と、それぞれ特別な場での演奏だった。

福島諭さんの作品《春、十五葉》には特別にその指示された奏法によって鍛えられ、その奏法が作品の組織構造化にある思想とある意味では対になっているという概念も印象に強く残った。

また前田さんの作品では自分の音楽の思想、概念に対峙するシリアスな時間を深く刻み込まれたように思う。

だから今月岐阜から帰ってすぐにサーキュラーブリージング・マルチフォニックス作品の録音をやらずにはおれなかったのだと思う。


あと4時間で2015年も終わり2016年の《変容の対象》が始まる。


先の録音で循環呼吸の音の激しい干渉渦に埋没する意識で視界すら消えてなくなるというような演奏のなかに居たことを思い出す。
この1年の末に。