hamaji junichi

composer saxophonist

《変容の対象》2016・4月第12−13−14小節目

《変容の対象》2016・4月第12−13小節目を福島諭さんから受け取る。


福島さんと夕刻少し電話で話す。《春、十五葉》のスコアが40ページに及ぶと聞いた。7ヶ月もかかるはずだ。想像するに、確かに編成としてもオーボエ、クラ3本にサックスという編成の室内楽作品であるし、コンピュータのプロセッシングの説明だけでもずいぶんな情報量なのだろう。この作品は単音のロングトーンの循環呼吸奏法が採用されていて、それの精度を上げるために随分練習した記憶がある。こういう作品においての指示でもないとなかなか単音の循環呼吸奏法を長時間、練習に取り入れるということはなかった(あまりにも現実的でないと、当時は思っていたのだった。今思えばそう思うこと自体誤謬であるのは明白なのにそう思っていたのは、あまりに採用され難い奏法であるし、循環呼吸奏法はほとんどが「音が動いている場合において」、という前提で概念化が終わってしまっていたことによる。管楽器の奏法の基本がロングトーンであるのは明白で、循環呼吸法がその例外であるはずがない。実際の演奏による経験則から「あまりにも現実的でない」と判断して、それはそれなりに
根拠があったとしても、こういった誤謬は避けなければならない。



電話の途中で福島さんの携帯の電源が切れそうだと、急いで話を切り上げたのだが、今日見つけた循環呼吸法による組織形成のことを話そうとしていたので少し残念ではあった。多分これは今年のサックスとコンピュータのための室内楽シリーズの新作にと思っているものだ。


13−14小節目を送る。