hamaji junichi

composer saxophonist

2018年《変容の対象》12月7−8小節目を福島諭さんに送る。

6小節目あたりまでは、、、ほぼここまでは整理された思考によって書かれていると言って良い。転調を高速で繰り返している箇所からもしばらくは整理された思考によってのみ書かれている。

この7−8小節目に来て急にその整理された思考が崩れ始めたので組織が幾分破綻しているようにも見えるかもしれない。ただその破綻している、、、ように、見える、と言ってもそれが確たる構造を形成するものを有していないかといえば違う。さて、こうした破綻したように見えるモノにある種の美を見出すとか、今更そう言ったロマンチシズムを抱きようもないが、少なくともその旋律が有している軌道がはっきりと聴こえるかどうか、、、

そう言った名状しがたいものを多く含むもの、あるいはそう言った名状しがたいものが如何に厳格な論理的構造を有していても逃れようもなく入り込んでしまうという領域を含んでいるということに私は惹かれる。

ドストエフスキー罪と罰ラスコーリニコフのことやドストエフスキーの博打に関することなどあーだこーだ書こうとか思っていたけど、全然そうならなかった。全くこの世はままならないが、、、我々は万事まだ終わっていないということを前提に生きているけれど、実はもうとっくに終わっている、という場合もある。そんなことを絡めて書こうかとも思っていたりした。