hamaji junichi

composer saxophonist

奈良sample 後記


写真は先日共演させていただいたsheeprinthttp://sheeprint.tumblr.com/のナカオさんからいだだいた和歌山市でのもの。本当にわざわざ送っていただいて嬉しい。ナカオさんありがとうございました!









朝、眩いほどの陽光を浴びながら空を見上げる。見晴るかす晴天。こんな蒼い空をみると自らを恥じる、、、という心象を抱くのは人間ぐらいのものだな、、、とぶつぶつ思いながら、奈良に向かう。今回は車で。
カミュではないが、太陽のせいで、、、と言いたくもなる、、、とぼんやり思いながら流れる風景はいつしか曇り、大阪あたりでは小雨が降る。天理のインターチェンジを降り、奈良市に向かう。地図も持たず、カーナビもない車で不安はあるが、まあ、大丈夫だろう。市内に入り、奈良公園を横目に観光客で賑わう風景を見て、ああ、良い風景だな、、、と思う。みんな楽しそうな顔をしている。私にこんな余裕、ゆとりがあったなら、、、と少し過去への懺悔を微かに感じるが、兎に角sampleさんに行かなければ、、、とそんな感傷は瞬時に消えたような気がした。
 流石に古都奈良である、、、街が伝統の重みで光って見えた。

 無事sampleさんに到着。中川さん、山内さんとご挨拶。リハを終え、演奏まで少しの時間。

 ふと見知った顔を。映像作家の前田真二郎さんhttp://www.iamas.ac.jp/~maeda/が奥様とお友達をつれて来て下さった。わざわざ岐阜から。す、凄い、、、思わず2度見。
 


 1曲目は12音技法によるソロから最後に少しだけ即興を加えた曲を。2曲目はバッハをモチーフとしたライヴ・エレクトロニクスの曲を。

 そのライヴ・エレクトロニクスの作品、サンプルのスタッフの方にこんな質問と、感想をいただいた「途中から体の中で何かが起こって最後は頭に何かがのぼってきて、これは、自分の中で何か感じたことの無いことが起こっているのではと、思い初めて、、、曲の最後の方ではそれが頭の方にまで来てくらくらしてしまったのですが、あれは、、、」内容はだいたいこんな感じだったと記憶している。それに対して、バッハの持つ和声と和声(旋律を吹くだけで背後の和声情報がある程度鮮明に聞こえるもしくは理解される、、、もしくは影響を与える、、、と言ったほうが良いか)のつながり、旋律と旋律の関係がもたらす身体への影響、そして音と音が移行する瞬間の力(あまりに平易すぎて書くのが嫌だけれど、ドミナントからトニックへといったものをはじめ全て)がライヴ・エレクトロニクス・デヴァイスによって増幅されて、今吹いたものが時間をおいて重なり、次の旋律と干渉するので、さらにそういった身体への影響が増幅されるのではないでしょうか、、、とか説明というか、そんな話をさせてもらった。かくいう私も演奏中、その音と音が移行する瞬間のゆるぎない力、巨大すぎる、強力すぎる、、、力に相当影響を受け、本来は良くないことだが、めずらしくエモーショナルになりすぎ(本当に反省すべきだ)て、後半は少し破綻してしまった。でもとても大きなものを獲得できたような気がしていて、それは常日頃思っていたことだったけれど、もっとクリアになったような気がしています。

 会場にはomoidemaigoのナカガイトさんや、ビンゴさんも。





終演後、前田さんと楽しい時間を。まだ実際にお会いするのは3回目だけれど、何かそんな感じのしないのは不思議だ。


和歌山に帰ると午前4時過ぎ。帰りの道中見た反欠けの月が相当な大きさで闇夜に君臨しているのを見てまた何をか謂わんや、、、である。


そして最後に中川さんに感謝の意を。