shimaf:OTO MO NAKU UGOKU MONO
実験音楽、experimental musicについての作曲家の思想とその思索の痕跡とを追体験出来る名著、自身も優れた作曲家であるマイケル・ナイマンの「実験音楽」
- 作者: マイケルナイマン,Michael Nyman,椎名亮輔
- 出版社/メーカー: 水声社
- 発売日: 1992/12
- メディア: 単行本
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演奏者に委ねられる要素が極めて強く作用される、そこに固定した楽相がない音楽で演奏された結果が常に作品になる「作品」、聴取者に極めて専門的な聴取力を求める作品など、ある意義、本来学問としての「そこに提示すべき意義」が作曲家の興味を方向付け、表出させる。これは音楽のある一面でしかないが、しかしながらそのある一面、とりわけどのような思想、哲学がそこに介在しているか、という領域はもっと明晰に音楽を語るうえで語られなければならないものだ。
オーダーしていたshimaf(福島諭さん)の作品がBOOK OF DAYSから届く。
shimaf:OTO MO NAKU UGOKU MONO
shimaf:Finishing Mirrors
shimaf:the several obbligatos of the sunbaked slash
shimaf:Happend Ground
mimiZ:The God's works of the principle of living only for the pleasure of the moment
最新作のshimaf:OTO MO NAKU UGOKU MONOを聴く。
まず、端正なジャケットワークから、これは届いた全ての作品に言えることだが一貫した美意識が表出されたstaticなアートワークはそれだけで氏の立ち位置を想像させる。
グランド・ピアノとリアルタイム・オーディオ処理による作品は抽象的でありながらそこに確たる構造を内包している。以前にも書いたが、抽象と具象はこと音楽作品に関して二律背反ではなく、同時に内在可能だ。
t04E-dur2からt06E-dur(1月04日)までのサウンドスケープがもっとも心に触れ、t09a beveled light.にはっとさせられた。
これは聴くよりほかないでしょう。
BOOK OF DAYSさんで購入できます。
http://www.bookofdays-shop.com/?pid=7344027