hamaji junichi

composer saxophonist

宿命的内部

福島諭さんに「変容の対象」5月3〜4小節目を送る。

福島さんが先日の名古屋、芸文での物販ものであるCDR作品「fatal inside」のことを書いてくれてhttp://mimiz.org/index.phpいるので少し書きます。この作品は福島諭さんと以前から取り組んでいる「サックスとコンピュータの為の室内楽」シリーズの音源版のひとつになります。2曲収録で、一曲目は新潟でのスタジオ録音の「contempt for saxophone and computer」でライヴ・レコーディングものです。こちらが主にこのシリーズのメインの作品像になるかと思います。このシリーズでは今のところ作曲を両者が別々に行っていて、福島さん主導の楽曲もあれば私主導の楽曲もあり、今回は私主導のものになります。(おそらくこれからは両者共作のものも変容の対象のように発表する機会も出てくると思います)2曲目は「fatal overture」という曲で、contemptのピアノ版をコンピュータ処理した音源と、サックスによる循環呼吸と、マルチフォニックスに正弦波の装置をリンクさせコラージュ作品として制作しました。前半はsine waveはある一定の時間ホールドされて出力されます。後半は最初コンピュータ処理されたピアノの上を一定のホールドされたトーンからsine waveは細かい波形に移り変わり、それが実はサックスの動きとリンクして出力されていることを表白するようにしました。手法としては単純ですが、sine waveが単独で出力されているのではなく、サックスと同期していることもひとつの思想的な表明でもあるのです。

fatal inside...宿命的内部と題された作品。非常にレアですが聴いていただければ幸いです。