hamaji junichi

composer saxophonist

東京行きのチケットを買う。今回は当日入り、次の日帰る。

今日はドビュッシーを聴く。

サティの「君がほしい」は誰に対しての曲なのだろう、、、とふと思う。サティは一説によると若い時に女性に半端ではない侮辱を受けた故、生涯独身を通したと聞いた(読んだ)が、「君がほしい」という曲を聴くと女性への賛美に満ち溢れているではないか、、、と思う。歌詞を知っているわけではないので実際はもっと別の意味も含んでいるのかもしれないが、ピアノ曲を聴いているとなんだか私のようなしょーもないものでも幸せになってくる。アンビバレントな発露とも勘ぐるが、そうではないような気がなんとなくする。話は違うがラヴェルも生涯独身だったそうだ。あんな美しい曲を書く人が女性にもてないはずはないと思うが、、、何れにせよサティもラヴェルも伝記を読んだことはないし、これからも多分読まないからこれ以上話は進みようがないし、進んでも意味がない。

例えば太宰の「おもてには快楽を装い、心には悩みわずらう」という有名な文句があるが、作品を創る上でとろけるような甘美な世界や、突き抜けた「明るさ」を表出せしめる作品の裏側で実際には不幸のどん底と言うのも珍しくはない。

ドビュッシーの「喜びの島」は愛人との邂逅の作品らしいがきらきらした作風と技巧を凝らした作品に言葉もないがこういった作品もあるし、今まで書いてきたこれはほとんど意味のないものだと深くうなだれ筆を置く。

太宰の一番好きな作品「東京だより」を思い出す。