hamaji junichi

composer saxophonist

夜の果ての旅、そして「変容の対象」2010・12月1−2小節目

昨日は夜もふける頃、南紀白浜の「九十九」さんに。11時過ぎ。お店は賑わい、まるでセリーヌの物語に出てくるような活況で気圧される。まるで夢のようだ、、、と思いながら(大袈裟ではない)「いっぱいなので、帰ります」とオーナーの古久保くんに言って、用件をすまし帰ろうとすると、しなやかな言葉と応対で引きとめられる。つまり、こういったことが古久保くんの凄み(会って話せばわかります)なのだろうなと、今書きながら思うわけだが、兎に角、恐縮しながら席についた。カウンターもいっぱいで、その1席についたわけだが、当然一人で行っているから話し相手は居ない。いつもなら古久保くんと時折会話し、その時間を楽しむのだが、セリーヌの活況は今しばらく続くと見えるので、ちいさなメモ帳をとりだし、録音したサクソフォン曲のプロセッシング・メモをあ〜だこ〜だ眉間にしわをよせて書いていたりした。笑顔の素敵すぎる女性の店員さんも居たが、話しかけるには自分は汚れすぎているのでよした。

時は過ぎ、お客さんもまばらになり、古久保くんといろいろ話す。自分があまりにも文句たれなので、心配させてしまっているかもしれない。古久保くんの奥さんに「濱地さんは悩まなくても良いと思います」と凛として言われて、僕は奥さんのファンだから「そうかもな」と思ったのだったが、奥さんが先に帰られてからも、文句たれは文句たれのままであった。

厨房のスタッフさんに今度パスタ300グラム食べにきますと約束して帰る。彼も若いが素晴らしい若者である。

ようするに、セリーヌの物語に出てくるようなお店が白浜にあるという話。まさしく、夢のまた夢である。つまり、「またの日の夢物語」だ。

「夜の果ての旅」または「夜の果てへの旅」セリーヌの代表作。








ここ2日ばかり、サクソフォンの録音と、録音されたもののチェックをしていた。まとめて近く、福島諭さんと、前田真二郎さんに郵送したいと思う。



九十九さんから帰り、デビット・リンチ監督の「ストレイト・ストーリー」を観る。何故かリンチ監督の作品で観てなかったもの。多分、テレビでエンディングあたりを観てしまい、それから観ようと思いながら、ついつい後まわしになっていた。文句なし。





「変容の対象」2010・12月1−2小節目を福島諭さんに送る。





J・G・バラード「コカインナイト」を読みはじめる。