hamaji junichi

composer saxophonist

「音階のフェティシュ」

どうも、私観なんかを書き出すとですな、どうにもくさったげな事しか頭に去来しませんな。それで消す。いったい、自分は何を望んでいるのか、、、いよいよわからなくなってくるという、滑稽にも程がある姿を鑑みれば、、、ってやつですな。うんざりする程長く生きていてそんなことすらわからないのか、、、と思ったりしますが、案外そんなものなのかもしれませんな。かと言って、それをどこか、頭の隅に追いやって鼻をほじりながら、阿呆面さげてぷふう〜とだらしなく倦怠を味わう訳にもいかない。美しくないですからな。

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音階を吹いていると、配列は同じでも音高とか、もしくは楽器の運指の配列などに身体と脳が干渉されて、フェティシュを感じることがあります。なんなんですかね、、、あれは。(つまり特定の調で)フェティシュというと、官能に起因する言葉として一般的ですが、偶像崇拝、つまり神ですね、、、と関係もある言葉だそうです。「音階のフェティシュ」と、ある2つの音階を組み合わせながら吹いていた時に、吹きながらその言葉が頭に浮かんだのですね。単純にある和声組織の進行上にその二つの音階を組み合わせ吹く。やたら気持ち良い。頬擦りしたくなるような感じ。今度は試しに違う調で同じことをやってみる。それほど気持ち良くない。こういうことなんですが、馬鹿げている、、、と思う方もいらっしゃるでしょうが、そう感じるのだから何か在る、、、と思うのですね。

例えば、小説の主人公がそういうことを表白する場面があったりしたらぷるぷる奮えますよ私は。


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小説といえば小川洋子著「寡黙な死骸 みだらな弔い」が素晴らしい。小川作品のフェティシュ。