hamaji junichi

composer saxophonist

変容の対象の3小節目を書く。新潟は道が寒さでつるつる、ピカピカだそうだ。私は南国の育ちで夏生まれだが夏は嫌いだ。カミュの異邦人の灼熱の太陽を思い出すからだ。と、かっこつけまくる嘘を口走りたいが、、、本当は単に暑いのが嫌なのである。冬は夏より静かだから好きだ。夏はいけない。夜までもが五月蝿い。そんな冬の静寂(しじま)に3小節目を書きながら新潟の冬とはどんなだろうと思う。作曲家の福島諭さんとのつながりで新潟にはもう何度もおじゃましたけれど、かの地の本当の冬の姿を私は知らない。私なんかが耐えられない寒さであろうけれど、おそらく、その夜の静寂は、、、と思われる。新潟が生んだ巨大な知の巨人、坂口安吾佐藤春夫のことを例にとって、その雪の国の人と南国の人の魂の近親性を書いていた。佐藤春夫は和歌山の人。それを読んだ時は勿論福島さんと出会ってはなく、安吾が好きでたまらなく、その安吾が自分の生まれた県の作家のことをあげてその近親性を書いていたのを嬉しく思い、おそらく自分は十代後半から20代前半だったと記憶しているが、まさか新潟の人たちとこんなに深く繋がるだろうとは想像もしていなかった。それを思うと人との邂逅というものは人知を超えて、、、