hamaji junichi

composer saxophonist

8月の《変容の対象》も無事終わった。もう五日も経っている。

冒頭文のshort attack,short durationという指示に支配された作曲ということをひと月やったわけだけれど、表面上端正すぎるとも言えるような楽譜は様々なものを内包しているように見える。とりわけ、自身に於いてこの8月の作品の意義は大きい。ここでその意義について饒舌に語ることはないけれどそれはある概念の顕在化として喜びというのに近いものだ。


近く岐阜での福島諭作品の演奏である。その演奏という行為も自身の内部ではその概念と強く結びついている。ある領域に触れる、あるいはその領域の内部に浸ってそこから外部を見ること。見ることと、書くことを同じこととしようとした詩人の運動があるけれど、それがあながち夢想とは言い切れないという意味に於いて、そういったところに在る他者からは完全に不可視の領域は作曲と演奏に於ける思索の海には在るのだというようなそんな視座を思うのだ。(作曲家と演奏者の間にある不可侵の領域はこの場合また別の真理として配置されている)