hamaji junichi

composer saxophonist

RONDO for MI piano and computer satoshi fukusima

[RONDO for MI]piano and computer
composed by satoshi fukusima
piano narumi yamakage

を聴く。と同時にそのスコアを見る。

ピアノとコンピューターのための室内楽

ピアノという平均律の象徴的存在とアカデミカルな思弁法を内包する楽器というより先に、その音響と音韻がスコア化され、それに干渉するコンピューター・システムとの相互に揺らぐ楽章から曲は始まる。

導入のE、fffからmfのEの律動がシステムに律動の情報をあたえることから曲は生成される。
3拍子の静謐なダイアローグ。
ピアノとコンピューターの対話が提示された律動によって進行してゆく。
コンピューターのシステムとピアノスコアは厳密な指示のもとその時間空間をデザインしてゆく。

数ページにわたるスコアの詳細な音響システム図(ピアノとスピーカーの配置、音量、コンピューター・システムの詳細等)を見て、ピアノのスコアに目を通し、その時間軸を追うように聴く。
こういった情報の補完をもって楽曲を聴けることの幸福は言語には表せない。

楽章にあたる、ナンバリングされた1セクション、2セクションと1−2、2−2セクションがコンピューターも平均律的なシステムによってスコア化(2、2−2)されている。
3、1−3,3’とナンバリングされたセクションではじめてコンピューターが平均律をはなれる。

そのコントラストとコンストラクトがそれぞれのセクションを統合し全体を俯瞰したときに最後のセクション1−4のEの一音。

セクション1−4のEの一音の衝撃

その一音のために今までが「在った」ことを音それ自体が表白しているように

感じた

その一音

一音のために

全体が機能していると言っては言いすぎだろうか?

このEの一音。



今までに聴いたことのないE

今までに













言葉は音を超えられない