hamaji junichi

composer saxophonist

牧野琢磨さんに教えていただいた作品、

コンボ・ラキアスの音楽帖

コンボ・ラキアスの音楽帖

ものすごく魅力的な作品です。無調作品のようだが、でも何某かのシステムが下敷きになっていて、全ての作品に低通している「技法」を感じるがどうもそれがはっきりとわかりません。つまり「謎」なのです。転調の多用の多用など聴いてわかる部分はごくわずか。丁寧にアナライズすれば何かわかると思うが、なにか固有のシステムのような感じを聴取上感じるだけで今はただ聴いています。転調を急激に繰り返すとか、ホールトーンの多用とか、12音技法とか、それこそあまたある無調を表出する技法はあれど、そんなことは考えずまずはずっと聴いていたいと思うような作品群です。浮遊感がどの作品(小品の組曲形式で作品はまとめられています)にも一貫して聴き取れ、色彩は統一されています。ギターの音が素晴らしく、ソロギターの作品でその技法の骨子が見えるようにも思いますが、まだ謎は謎のまましばらく聴きこみたいと思います。強力な作品です。