hamaji junichi

composer saxophonist

東野圭吾白夜行」を読む。ドラマをDVDで観て、あまりの素晴らしさに原作を是非読まねば、、、とひとり思い、買って読んだ。分厚い、、、文庫でこの厚さ、、、と読み始めたが一気に読んだ。恐るべき小説である。必読。読めばこの小説の極めて稀有な手法が浮かび上がり、その美しい構造に目も眩むはず。勿論、物語も超一流である。

今日は風邪の状態もましになったので、少しサックスのソロの習作をと思っている。ある和声のシステムから派生する旋律の組織を考えながら。これは今月の「変容の対象」で試していることと繋がっている。音楽的であることと、美しい構造を持つことは不可分である。

数学的な思考というものに惹かれるのはその構造的な美を感じるからかな、、、と思ったりもする。福島さんが読んでいる数学書しかり(名古屋で作品発表の際、楽屋で読ませてもらってその難解さに驚いたが、エモーショナルな文章だなと思ったのは確かだ)安部公房もそうだし、森博嗣もそうだ。東野作品にも感じた。そもそも数学的、文学的と分けるのも野暮すぎる話だが、美を構成するものは極めて構造的なフォルムを有していると思うのも確かだ。音楽はその最たるもので、バルトークを例に出すまでもなく、もともと数学的な構造をはっきりと持っている。そしてそれはエモーショナルだ。