hamaji junichi

composer saxophonist

サックスによるマルチフォニックスの実験をやってみる。久しくやっていなかったが、何故今こうしてやろうと思い立ったのか自分でも良くわからない。サックスは勿論単音、単旋律の楽器だが、和音も出力できる。ただ、その和音は平均律的な美しい響き、例えばピアノのような和音を形成するものではなく、にごっている。同時に出力される音がジャストで響きあうものではないから必然にごるわけだ。それがある種の聴取上のおもしろさにも繋がるわけだが、作品の中心的な奏法として機能させたいという思いはいつも事あるごとに思ったりするが実現できてはいない。
ソロ・サクソフォンの演奏の場が与えられた時などに、その一部を使ってやってみることはままあるが、不完全な印象を持つことが多い。自虐的にそういった「飛び道具的な」奏法を卑下すること(しかも演奏中に!)もあったり、なかなかしんどいのである。あらゆる奏法の可能性は常に探っていかなくてはならないし、飛び道具的と思ってしまうのもどうかとも思うのだが、演奏における技法の位置づけの階層は確かにあるのだからやっかいである。表出される音としてはそういった派手な技法も所謂楽音も等価で、うまくそれらが幸福なカタチで機能し合えば良い。とはいえ、技法の位置づけなどは瑣末な問題である。とは言い切れないのも事実だ。
 その特殊な技法のみで、人の心を強烈に打つこともある。場合によっては素晴らしく響く美しい楽音よりも、、、

で、なんやかんややっていて、モチーフが出来る。マルチフォニックスを組織する音を書き出す、1つはe.c.a1つはfis.a.esそれを結ぶ旋律を書く。

(備考)esを中心としたマルチフォニックスは今のところ4つ。