hamaji junichi

composer saxophonist

chamber piece for saxophone and computer

福島諭さんの今日、というか昨日の日記。今は午前4時。今日の日記に関係があるので、読んでください。
http://www.mimiz.org/index.php

この夜更けに、PCのある部屋に降りてきたのも、今日、というか昨日、福島さんから電話があって、僕が福島さんにあずけている作品に「とりかかろうと思っています」という話を聞いたからだ。contempt for soprano saxophone and computerという作品は、様々なプロトタイプを経ていて、最初はコンピュータはライヴ・プロセッシングという手法をとった。サックスの思想は複数のモードで管理され、そのモードのある音をカウンターとして、別のモードに移行する。それがこの作品の大きな視点のひとつで、スコアにはそれら複数のモードが矢印でつながれている。当初はサックスもモードで管理されているとはいえ、かなり即興性の高い手法をとっているので、コンピュータも即興性の高いリアルタイム・ライヴ・プロセッシングで良いと考えていた。それがもう、3年くらい前。当時は福島さんもそう考えていたと思う。その後、その作品をライヴで発表などし、複数回レコーディングし、そして、僕と福島さんの音楽的なやりとりが機会を増すにつれ、そのサックスの思想とコンピュータの思想を直接的にリンケージできないだろうか、、、という話に自然になっていった。今年の千駄ヶ谷loop lineでimprovised music from japan 2009の関連ライヴがあって、僕も福島さんも出演していたので、その日にそのコンピュータの処理の思想を夜中、新宿で話し合った。モードを組織する音程差と数式。対称性。紙に書かれた福島さんのメモを見ながらおおまかな思想の構築の方向を二人で決め、新潟に持って帰ってもらった。その後、僕も和歌山に帰り、新たにサックスの録音をし、手渡した。新潟と和歌山という物理的にとても距離の障害のあることが、良い意味に機能しているのは、例えばひとつあげるなら、サックス単独で音源を録音し、それをコンピュータ側に渡すという完全に切り離された「時間」を「アンサンブル」させるというようなことが可能か?との問いを共有できることであるし、実際にその「先の見えない領域」に向けられる思索を積んでいけることを、ある時間の幅を見ながらすすめることが出来ることがあげられる。これはとても重要だと感じている。


composition,impression III
mimesis
などがこの作品に続く。