hamaji junichi

composer saxophonist

「変容の対象」2010・11月fine

福島諭さんから「変容の対象」2010・11月のfineの小節を受け取る。今月はショート・ピースながら緻密に組織された箇所が音韻的に効いている感じ。先々月の動機と呼応するような今月の動機は勿論意図したものだが、先々月は意外な方向に進み、その進んだ先がとても興味深い音韻を形成したので、今月はどうなるかな、、、と思いながらその動機を書いた記憶がある。今月は動機の流れそのままに最後のfineまでいった感じだが、実はそれを願ってもいたのだった。勿論、共同作曲なのでどうその作品が動くのかは相手に渡した瞬間からそれは完全に委ねられるのだけれども、今月は何故か「そのまま、そのまま、、、」と小さく呟いて書いていたのだった。きっと、その動機がもつ数学的な印象が持続し続ける作品を僕は聴きたかったのだと思うし、そうしてその呟きは福島さんに伝わっていたのかな、、、と思うようなfineを迎えた。演奏するにはとても困難な作品だけれども誰かが演奏するのを俯瞰して聴いてみたいな、自分が吹くのではなく。と思った。でも自分も吹いてもみたい。当然。