hamaji junichi

composer saxophonist

映画「レオニー」を観に行く。松井久子監督作品。イサム・ノグチの母の物語。
良い映画でした。絶望的に田舎(あらゆる意味で)だけれど、こんな映画がきちんと劇場で観られるのは良かった。多分、地元ではそんなに集客が見込めるような作品ではないと思う。だからチェックはもう随分前からしていたが、まさか地元で観られるとは思ってなかった。最終上映時間に行ったが、お客は自分と女の方一人。一人で観に来てるなんて素敵、、、と一瞬思う。

僕は主演のエミリー・モーティマーをキャスティングしているという理由だけで行った。エミリー・モーティマーをキャスティングするなんて素晴らしい監督に決まっている。端整な時間で満たされた作品。おおきな心理の動きはないけれど、2時間15分は余韻を残し誠実に過ぎていった。

絶望的に田舎、、、と批判的なことを書いていてなんだが、和歌山ではご当地ソング(最近全国ネットのテレビで取り上げられていて、クソみたいな歌詞にうんざり)すらはっきりと自虐的で、関西のおまけとか、、、、そんなことを言われると、佐藤春夫もいるし、中上健次もいるし、南方熊楠もいるじゃないか、バカなんじゃないか、、、と攻撃的にもなる。最終的に良いところという内容だろうが自ら貶めるような歌詞は不快以外のなにものでもない。

出来れば誰かがお金を融通してくれたら(この甘え果てた根性では先もないが)こんな場所とっとと出て行きたいとは思っているが、でも、自虐的な扱いや、無知ゆえの地域差別には戦いたいとは思う。アンビバレントな心象だけれど、自分の故郷感とはそういうものかも知れない。