hamaji junichi

composer saxophonist

昨日はアニメ「蟲師」を観ました。静かで良い作品ですね。原作もそうなのかしら。まだ数話しか観てないけれど、女性と子供の瞳がみな静謐な美しさを湛えている。静かなものにはとても惹かれます。

静かなもの。と言えば、音楽ではmorton feldman、バルトークの「4つの挽歌」サティ、モンポウ、ジャズでは初期の1954年ぐらいまでのリー・コニッツ、マイルスのネフェルティティなどなどうっとりする静けさを内包し、抱いているような作品がありますね。
文学ではなんと言っても小川洋子作品。あの静謐さは固有のひそやかな輝きを物語の胎動と同期するように抱いているようにうつります。

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今日は初めて県立図書館に行ってきました。図書館は実はほとんど行かない。本は買うもの。と決めているからですがちょっと暇つぶしに。大きな情報施設の中にあると聞いていました。なるほど、立派な建築物がそこにありました。数年前に建った施設のようです。そのなかに図書館があります。モダンアートを思わす建築は洗練されていますが、内実、つまり人にどれだけの投資が行われているのかを、ちょっと思ったりしました。りっぱな建物もそれはそれで素晴らしいのだけれど、、、
作家のコーナーに行き、どんな蔵書があるのか見てみました。音楽のコーナーにも。そこにサクソフォンの歴史の本があり、「悪魔の楽器」という記述がありました。アドルフ・サックスによってつくられた新しい楽器としてその音楽史における文脈を書いているようでした。あまりに幼稚な形容にも思えましたが、まあ「悪魔の楽器」か、、、ちょとおもろいやん、、、とうっすら笑っている自分もいました。半分承認と自嘲の笑いです。

帰りに白浜に向かう車の車列と向かい合わせになるのですが、若い女性がポルシェに乗って颯爽と行き違いました。有数の観光地ですから、そんなひとたちも多く白浜には入って行くのです。僕がもっと若ければ「ギロチンにかけられればいい」と文学的感傷にひたってといいますか、あんまなんも考えないまま反射的にそんなことを思っているところですが今はそうは思いません。つまり、老いたということです。深刻に。