hamaji junichi

composer saxophonist

《変容の対象》2015・7月fine

朝。福島諭さんよりメール。変容送ります旨。


確認は夜になりますと伝える。


夜。確認し、何度か試行するが全て凡庸にして退屈である。結局何も書かないのが最もソリッド(思考の痕跡としても)だと判断しここでfineと伝えた。


今月は音数の多い組織を延々続けていった。意図したことだけれど、その分書き記す情報量が大きくなるからひどく疲れた。福島さんにもヘヴィーでした今月はと送った。なんというか、書いている始終、息の詰まるような心持ちで書いていた。実際息苦しかったのだ。7〜9小節目の循環呼吸と指示した組織は自分でも吹いてみたい。またそれ以降のfineに至る組織らも印象は強い。基本的にある部分をモチーフにして発展させることを繰り返しているわけだけれど、法則性があるわけではなく、組織に点在するnodal pointが見えた。これは演奏している時の思考の動きに似ている。身体性云々を語ることはもっともらしいしたり顔が浮かんで嫌にもなろうけれど、そういう領域が音符の背後、あるいは表層に像を結ぶことだってあるのだ。一方で福島さんの組織は厳格に、あるシステムによって組織されている。和声を形作る法則の情報のチャートがこちらにも送られてきたが、それらを分析し理解しながら自分の領域にそれを引きずり込んで組織を構築するには変容は時間が圧倒的に足りないのでその方法はハナから捨てた。動機に対する自分の組織(冒頭は特に)気に入らないけれど、序序に像を結んでゆく圧縮した思考、思索の痕跡、あるいは反応がこうあからさまに表出しているのは何かを留めていると思う。