hamaji junichi

composer saxophonist

《変容の対象》2016・1月第11−12−13小節目

前日9−10−11小節目

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15日夜。《変容の対象》2016・1月第11−12小節目を福島諭さんより受け取る。


受け取ってすぐ書きはじめ、13小節目も終わりに近づいた時譜面を誤って消してしまう。「ふざけんなこの野郎」とでか過ぎる独り言を発して、でも消えた譜面は帰ってこない。それでなくても精神が疲弊するのに、細かな音符の組織の連続体をすこしばかり薮睨みで書きながら緻密に時間を積んでいたものが消えてしまったわけだ。心が折れないわけがない。

例えばでか過ぎる独り言の多発は気が違う入り口でもある。先日の岐阜羽島駅茶店で映像作家の前田真二郎さんと入った折に、席に着くなり「あ〜あっ!」と自分でも意外なほどでかい音量であり、お店のおばちゃんに「お客さん、どうしたの?何かあったの?」と気遣われてしまった。シリアスな作品の演奏の後のことである。その安堵か、いや、それもあったかもしれないが自身の堆積された何かの発露か、「いや、なんでもないです。すいません。でかい独り言で」と笑ってこたえた。自分は気が違う人を良く知っているから気は違わない。ただ入り口が見えるというだけだ。単に現象として。

で、心が折れたまま今日は書くのをやめにしようかとも思ったが記憶していたものをまた書き始めた。12−13小節目を書いた。


福島さんに送る。


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ガンダム・サンダーボルト。もう一度見たが、名作の匂いがぷんぷんする。グフ、ドムに搭乗するジオンの義手、義足のスナイパー隊。ガンダムは双方ともやはりあの時期のモビルスーツの形状が素晴らしい。連邦の主人公はジャズに象徴されている。あの赤い彗星のような象徴として。反転?

音楽ははっきりとドルフィーの参照、モンクの参照のようなものが聴こえる。ジャズのカタストロフを誘発する因子はもうあの時代に雛形が全て提示されているように見えることから、それがジャズのストラクチャーの限界を意味しているとも言えるし、一方で、またそれだけ強固とも言える。幸福であるか、不幸であるかは置いておいて。