hamaji junichi

composer saxophonist

反転

みみづのアンソロジーを聴く。
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真夜中にひとしきり静寂を浴びるような経験。
つまり静寂の意味がここでは反転しているのだ。
むろん自らの聴取がそうさせているとは故、エレクトロニクスのこの豊穣な色彩は!
実際は、轟音であるであろう電子音の内にある繊細な揺らぎ、繊細な変異、繊細な変容とある確かな意思をそこに表出しているのを聴く。
全ては細部に在ると、、、
そう。微細な変化がそこで起きているのは事実であるようだ。
メシアンが旋律を聴いて色彩をはっきりと認識したように、確かに音に色彩はあるようだ。エレクトロニクスの色彩とパーカッション、ドラム、一瞬きこえるギターフィードバック、ギターメタ音(幻視に近い感覚、、、2台のコンピューターと1つのリズム隊という編成と書かれているので聴き違えか、、、確かにそう聴こえるのだが)のフラグメントとともに部屋の空間を飛び交う電子音の所在を探す(つまり目で追う)ような体験はそうそうできるものではない。
先日、みみづのメンバーである福島諭さんに今、現在のみみづの音源をマスタリングされたものを少し聴かせていただいたが、その洗練された音の色彩と強度に驚いたことを思い出した。


「静寂の意味が反転する」・・・音楽