「変容の対象」２０１３・３月fine

「変容の対象」２０１３年３月。昨日でfineを迎えた。今月の作品は５年目を数えるこの共同作曲行為に於いても特に印象に残る作品になった。なにより福島諭さんのピアノの組織が美しい。福島さんの実家で泊めてもらった時の朝には彼がきまってピアノを弾いているのだが、その光景も一瞬思い浮かんだ。それが第１小節目の譜面を確認した時。ほとんど福島さんのピアノにつきるのだが、作品の構造の姿も整理された意識が記されていて、それは僕が２小節目を記した時に遡れば決定付け「られていた」ことのように思われるけれど、こうやって構造が編まれて軌道がうまれる様相を３小節目から４小節目にいたる頃には互いに了解しあっていたように思う。そこに言葉による説明などは無いし、それは作品の成立に関わることなので、あえて互いに作曲の間は説明をしないことが暗黙の了解としてあるが、この感じはいつも立ち現れる度に啓示に触れる時のあの感触をもたらす。

今月は特別な作品になったようだ。