hamaji junichi

composer saxophonist

「変容の対象」2011年度版初演 1日目

10月12日から酷い風邪にかかり、瀕死。昼間はまだ良いが夜になると熱が高まり何もやる気が起きない。なので、本来ならすぐに書かなければならない「変容の対象」2011年度版の初演のことについて帰ってから何も書けずにいた。ようやく熱がさがり、のどの腫れもずいぶんと治まった。なので今日から書き始めたいと思います。

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10月11日。和歌山を出発する。朝特急に乗り天王寺に、そこからリムジンバスで伊丹空港新潟空港へは50分。全行程4時間弱になる。改めて遠い。遠いからさらに憧れが増す。着いた後、美術家の吉原悠博さんに「水と土の芸術祭」2012に連れて行ってもらう。メイン会場にある吉原さんの作品「シビタ」を作家さんと一緒に拝見することができた。なんとも贅沢。この価値はとうてい他と比べようもない。「シビタ」には吉原さんの視座が鋭く映し出されていた。境界と分水という言葉が想起された。そこから幾筋もの文脈が照射されるのを見た。ちなみにこの作品の音楽は福島諭さんがコンポジションとプロダクションをされている。「シビタ」凄い作品である。

その後、吉原さんとコーヒーを飲みながら今日の食事会の時間を待った。(福島さんが僕が新潟に来るからと声をかけてくれた方々との会で、随分お世話になっている方々。でももう、親しみを持っている方々である。)吉原さんとは初めて長い時間お話出来たがまったく嫌な間が出来ない。吉原さんは僕と話す前からわかっていたと仰っていたけど、こう、会話が自然に繋がっていくのはとても心地良かった。

時間が来たので古町の居酒屋さんに。吉原さん、僕、ついで内山さんが来られ、福島さんが。福島さんはいつも会う度にものすごくにこやかにこちらを見る。(ファーストコンタクトの時ね)100万ドルの微笑であるな〜と思いながらだまって会釈する。(そういうしきたりである)それから高橋悠、香苗夫妻が来られ、円秀さん夫妻、万代橋美術館の学芸員の桐原さん、新潟近代美術館から今は出向で新潟市立美術館にいらっしゃる濱田さん、fleaongakの藤井さん、そしてdiesel guitarの能勢山さんというメンツ。会は楽しく過ぎて行った。なんと言っても吉原さんの話が尋常ではなく、それこそ本で読んだ人物が関西弁でいうツレみたいな感じで出てきまくってもう、それらの人物はすでに歴史にその名を刻まれている人たちなので吉原さん自身もそうなのだろうけれど、やっぱりすごすぎますわな。当時のニューヨークの話。で、吉原さんの向こう側に居た高橋夫妻とほとんどしゃべれなかった。けれど、悠氏お勧めの「Drive」を観た感想だけは伝えたいと思って最後にそれだけは話した。とどのつまり、私は主人公みたいになりたいのである。なれるのなら、、、という。主人公の居る「場」。能勢山さんとは新作の構想のお話を。うまく書けるかはまだわからないが書きたい。

会が終わって、僕と福島さんとでファミリーレストランでコーヒーを飲みながら少し「変容の対象」の初演のことなどについて話す。

その日はおしまい。



今日はこのへんで。