この場合の「世界」とはまぎれもなく作曲家のものである。東京2日目
クラシックの広大無辺の文脈。
ルッソロの「騒音芸術」ピエール・シェフェールの「ミュージック・コンクレート」から「Acousmatic」の文脈。フランス。
東京2日目。
アサヒアートスクエア。会場には8つのスピーカーが配置されている。今回は2日間にわたりAcousmatic作品も多く演奏される。会場に来られていた作曲家・三輪眞弘さんにAcousmaticについて少しお話を伺った。
ゲネ。横に長い会場は洗練されている。空間デザイン的にも美しい場所だ。響きも良い。
上手に福島諭さんのシステム。中央にクラリネット2管が対局し、その中央にオーボエが配置される。この配置はフロリゲンユニット(前日の記述参照)でも採用されていた配置でもある。思想的にはその流れも繋がっている証である。少しばかり離れた下手にサクソフォンが配置される。今作品では8つのスピーカーのうち6つが使われた。昨日のリハーサルでは充分にそのコンピュータ処理の音響を確認はできなかったので、今日はじめてその本来の姿を聴くことができた。コンピュータ処理のセクションはカルテットセクションの”6” ”2” ”5”と名付けられた3つのセクションの間と最後に配置される。(一部はカルテットセクションにも介入する)6つのスピーカーからはコンピュータセクションのみ出力される。
導入(サクソフォン)
”6”
コンピュータセクション
”2”
コンピュータセクション
”5”
コンピュータセクション(fine)
ゲネでコンピュータ処理の実像を聴く為に会場の端から端を歩いてみた。その豊かな広がりはちょっと他では体験できない種類の音響、音韻情報の渦で「なるほど福島さんの頭ではこう鳴っていたのか、、、」と思った。
ここで特に記しておきたいことがひとつ。
カルテットセクションのアンサンブルは今まで聴いたことのないアンサンブルで、それは昨日のリハーサルでも当然感じたものだったけれど、このゲネでの方がさらにその固有性が表出されていた。乱暴に例えるなら「時空がぐにゃりと歪む」。そんなアンサンブルなのである。
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福島諭作曲作品「BUNDLE IMPACTOR」
初演
この場合の「世界」とはまぎれもなく作曲家のものである
他に書きようが無い。つまりそういうことなのだ。
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私は今回は演奏家であるので、今作品についての言及は福島さんの文章に。
http://mimiz.org/index.php?ID=937
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無事初演を終え皆さんと解散。
福島さんと池袋で別れた。
ゲネでのクラリネット・伊藤めぐみさん、櫻田はるかさん、オーボエ・山口裕加さん
(福島さん撮影)
福島諭さんの後日書かれた記述。
http://mimiz.org/index.php?ID=941