ナラティヴ
文学を読んでいて、音楽のことが語られる文章に行き当たるとその音楽が鳴り、頭蓋を振わし、あるいはそれを作曲した作曲家の風貌と、蓄積された人物像のイメージの断片が活き活きと浮かび上がる現象が起こったりする。例えばその魅力的な主人公が愛する作品のシーンが自身の感覚とぴったりだと感じたなら、その文章をとても近いものに感じ、その作家を愛する。
ペンデレツキのstring quartet no.1を聴きながら彼女は恍惚とした灰色の瞳を、、、
みたいな文章に行き当たったなら、、、と想像したりしするが、
そんな文章は勿論見た事は無い。
けれど、どこかにそんなシーンがあるやもしれない。なにせ、世界は広い。自分が思っているよりは遥かに。
文学上にはなくても、実際の現世界に。