hamaji junichi

composer saxophonist

「変容の対象」2013・12月第1小節目

「変容の対象」2013・12月第1小節目を福島諭さんに送る。
今日はいつもとは趣向を異にしてそれを送る際に福島さんにあてた文章を以下に。



福島諭さま

遅くなりましたが第1小節目です。福島さんの発表が終わってから送ろうと思ってましたし、また変容2012の初演など終えて帰ってきたらなんとなく呆として書き始められなかったのもあります。
テンポ55はフィボナッチに基づく意味合いですが、(中略)フラジオのC音もするどく切り込んできませんが、サックスで吹くともっと(かなりです。それは)きます。珍しくこの動機は最初の8拍分はサックスを実際に吹いて書きました。練習中に音が浮かんでリアライズしたのですが、どこかで聴いたような組織にフラジオのC音が切り込み組織を歪めるという仕掛けです。それで冒頭文もあのようになりました。これはドン・デリーロの「ボディ・アーティスト」のはじめの章を読んだことによるものが大きく、新潟に向かう道中から帰りまで読んだものなので、示唆的なものを感じもしました。

先ほどはお電話ありがとうございました。(中略)

では今年最終作品です。よろしくお願いします。

濱地潤一


(注)冒頭文は「歪みの均衡その表出された部屋。あるいはシーン。」