hamaji junichi

composer saxophonist

人は自分の見たいようにしか「それ」を見ない

今日は録音。
昨日の福島諭さんとのスカイプでやる気になり、いざ、サックスを持つまでがなんやかんや考えがよぎって迷った(録音するのが)が。

先日の兵庫の演奏でやった曲を録音。題名はまだ無い。
マルチフォニックスで動機を提示する曲は、その中盤あたりでもマルチフォニックスフラジオが重要な要素となり、譜におこすのが今からやっかいすぎて憂鬱だが、図形とかまじえて書こうと思う。

で、録音はうまくいき、その後、映像作家・前田真二郎さんの作品「日々」のライヴ上映のために書いた「prelude」のオリジナルでのショート・ヴァージョンも録音。(オリジナルとは、サーキュラー・ブリージングで延々トリルの決められた組織を組み合わせ吹くヴァージョンのことだが、サーキュラー・ブリージングを使わないものは以前録音していて、前田さんと福島さんにはわたしてあり、ライヴ上映ではオリジナルを演奏した)

そして、ついでにその「prelude」のトリルとフラジオをまじえたものを3トラックで走らせた変奏曲(と言えば体裁が整うが、実のところ、まったく気がふれたような)トラックも録音。

なんでこんなに録音したかというと、前田さん、福島さんに聴いてもらう為に考えていたことなので、勢いのあるうちに、、、というのと、サックスが調整してまだ間がないので状態が良いので、、、というテクニカルな背景もある。循環呼吸とか、マルチフォニックス(重音)とかは楽器がきちんと機能しないでやるととんでもなく不安定になる。むろんきちんとした楽音を吹くときも同様ではあるけれど、倍音操作などは特に楽器の気密性が重要で、ちょっとした力技でタンポを閉じるような調整の微かなずれでも大きく影響が出るものなので、、、

明確な聴き手を想定できるというのは、これ以上幸福なことはない。あらゆる意味で。