hamaji junichi

composer saxophonist

新潟 2日目 スタジオ

福島さんのご実家から新潟市内へ。スタジオに入り、レコーディング。時間的制約から当日のイベントのリハと即興の録音を。即興はこの福島諭・濱地潤一「サックスとコンピューターのための室内楽」作曲作品シリーズにとっては本筋ではないが、まったく無関係ではない。要はその「即興」という言葉が指し示す内実が問題なのだ。そこのところは、前日の会話で福島さんに自分の考えを理解していただけたように思う。この録音では即興の再現性にひとつの重要な着眼点を置き、録音した。サックスに関して言えば、音の組織からサーキュラー・ブリージング・マルチフォニックスまで、再現可能な演奏を目指し録音した。福島さんとのやりとりで、もっとも重要な情報の手段と言えば譜面であることを考えても即興に再現性をもたらすこと(それはもはや「即興」ではないと言うのと同じにそれは極めて「即興」であると考える)はひとつの大きな課題でもある。「引用」という手法と即興との繋がり、もっとマクロで考えれば、そこで演奏する全てが「即興」ではないのか?「即興」という言葉が指し示すその内実の複眼的な放射する視点の介在は「それ」を語り、答えることを拒絶するそもそもの本質を湛えているようだが、長い時間をかけて考察する価値は充分にある。

後日、この録音を譜面にしてお見せできればなお良い。