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数日前の記述。再稿。思い出し書いている。
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サックスを吹いていると声をかけられる。
「サックスやってるんですね」
「、、、ええ、、、まあ」
「この譜面全部吹くのですか?」
「そうですね、練習なので」
「どこかで演奏とかやっているのです?」
「ええ、まあ、、、」
「、、、この辺で演奏は?」
「しません」
「、、、そうですか、、、」
沈黙。
「ありがとう、、、」
「いえ、、、」
初老の紳士はハンチング帽をかぶり直し去っていった。
ことさら後に続く物語めいたものは起こらないとはいえ、音に触れると見ず知らずでもこういった会話がたち上る。
水面に一雫の波紋が起こる。拡張する奇麗な円。減衰する。そしてついには俯瞰する目にもその円の滑らかなエッジは見えなくなる。そうであったとしても、、、
譜面には長3度のステップ(または増5度のステップといっても良い)での転調が高速で為されていた。(バルトークのシステムも参照すべき)
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本当に優しい心根をもっている人の語る言葉はその言葉とともに響きも優しい。
うっとりするほどその響きは心地よいものだ。
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