hamaji junichi

composer saxophonist

《変容の対象》2020年1月第10−11小節目を福島諭さんに送る。

 

変容でこう言った難しい局面(今回はとても難しかった)では数日から長くて10日ほど着想の手がかりを待つ、、、、(常に四六時中そのことを頭の片隅に置いてその思索を持続させる)のがいつもの手だけれど、月末のこの時期にその手は使えない。昨日の夜も駄目で、今日も譜面を見ながらいつの間にか爆睡(最近夜のはじめに座ったまま必ず気を失ったような眠り方をする。こう言う生き方、生活の有り様は早く変えなければならない。今の最も切実な課題である)し、起きて深夜また譜面に向かった。漸く少し糸口が掴め、書き進めた。

 

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ウィリアム・ギブスンの「パターン・レコグニション」を読み始めた。主人公ケイス(女性)のお気に入りとしてバズリクソンズのma-1が確かに登場していた。日本の生産品として尊敬と敬意の念を持って書かれている。しかも数行だけの記述ではなく、結構な行を割かれて度々登場するので、それは生産元の東洋エンタープライズもコラボレーションをするに足るだろうと。東洋エンタープライズという会社名もギブスンの小説に出てきそうな名前だ。その主人公ケイスのユニークな行動に、例えばジーンスのリベット、ボタンのメーカー刻印を丁寧に、時には業者を使って削って消すという記述があり、ブランドの出自を消すという行為に異常な神経を使うという、、、主人公の性向を鮮やかに浮かばせるシーンがある。変わり者だが美人でma-1ジャケットがよく似合いそうな女性の像が浮かぶ。

 

ところで文学読みはウィリアム・ギブスンは「ギブソン」ではなく「ギブスン」という読みを当然のようにするけれど、バズリクソンズのユーザーは「ギブソン」と表記することが多い。ギブスンなんだけどなぁ、、、といちいちそれらを目にすると思ってしまう。